新潟の魅力「食」

新潟の魅力「食」

食は地域の風土、文化や歴史と深く結びついています。
生産者や料理人、豊かな食材、地域に根ざした食文化、美食を引き立てる伝統の技など、幅広く奥深い新潟の魅力を改めて楽しみ、自信を持っておすすめしてみませんか?

新潟の魅力「食」を楽しみましょう

新潟県知事 花角英世

新潟県知事 花角英世

新潟県には様々な魅力がありますが、その中でも、本県が誇る大きな魅力の一つは食であり、豊かな自然や伝統などに育まれた食文化そのものです。
ご承知のとおり、新潟の食は、雪国ならではの気候風土に大きな影響を受けています。降り積もった雪は清らかな雪解け水となり、河川へと流れ、やがて日本海へと注ぎます。栄養分を豊富に含んだ水は肥沃な大地を作り出しました。新潟の食材はどれも上質で美味しく、これはまさに、生産者の不断の努力と自然の恵みが生んだ逸品です。
新潟の質の高い食文化は、そのルーツをさかのぼると、北前船がもたらした上方文化に、佐渡金山に関連して陸路から流入した江戸文化が加わるなど、様々な人やモノが交差・融合しながら生み出されたものです。その文化は、料理人をはじめ、食に携わる人々に受け継がれ、豊かで上質な食材を活かしながら、新たな食文化の創造に挑戦し、今も進化し続けています。
県内には、魅力的なお店や料理、特産品、さらには食の魅力を引き立たせる食器やカトラリーがたくさんあります。ぜひ、県民の皆様からお住まいの地域だけでなく、県内各地を訪ねていただき、当地の風土・文化・歴史など、脈々と流れてきたストーリーも含めて、改めて新潟の食の魅力を感じ、楽しんでいただきたいと思います。

新潟ガストロノミーアワードを知っていますか?

新潟には、豊かな自然・文化・歴史によって育まれた、新潟ならではの食文化があります。
地域の風土、文化や歴史を料理に表現する「ローカル・ガストロノミー」。この理念を具現し、地域社会との関わりに積極的な県内の飲食店や宿泊施設、お酒やお土産品等を表彰する「新潟ガストロノミーアワード」が開催されました。

ガストロノミーアワード 詳しくはこちら


十日町の人、自然、文化の魅力を食から発信

十日町 会席 ゆげ

「ゆげ」は東京で日本料理人をしていた弓削朋子さんが帰郷して開いた会席料理店。十日町の豊かな里山の幸や、受け継がれてきた食文化を生かした料理を提供しています。今回、女性Chef賞の知らせを聞いて、まず思い浮かんだのはいつも協力してくれる地元の皆さんの顔だったそうです。「この店は生産者さん、山菜やきのこを採りに行ってくれる方、野草茶を一緒に作ってくれる方など、一番大変な作業に協力してくれる皆さんのおかげで成り立っています。その地元の力が評価されたと感じて、とてもうれしかったです」。
約20年十日町を離れ、戻ったときに初めて地元の魅力のすごさに気付いたと話す弓削さん。料理は驚きと感動を与えられるよう、十日町の風景や季節を感じさせる演出や工夫も盛り込みます。ソフトドリンクやお茶も、山の花や葉から作る自家製。「そこでしか体験できない価値を求めて旅に出かける都会や海外の人が増えていくなかで、「ゆげ」の食が十日町を知ってもらうきっかけになれればと思っています」。

飲食店部門 女性Chef賞 店主 弓削 朋子さん
十日町 会席 ゆげ

十日町市駅通り128
TEL 025-755-5263
https://www.tokamachi-yuge.com/
営業日 18:00~22:00(前日までの要予約)
休業日 日・月曜日


ワインと食と風景を楽しむ滞在型ワイナリー

CAVE D’OCCI ワイナリーステイ トラヴィーニュ

新潟市西蒲区角田浜の砂丘地にあるワイナリーのカーブドッチ。旅館・ホテル部門特別賞を受賞したトラヴィーニュは、その敷地内に佇む10室のホテルです。1992年にぶどうの木を植え始めたときから、いずれはここに滞在して過ごしていただく場所を作りたいという夢を描き、それを2019年に実現。客室の窓からは角田山とぶどう畑を一望でき、ワイナリーに滞在する特別感を味わえる場所です。
ディナーは、天気が良ければぶどう畑で、雨の日や寒い時期は地下のワインセラーで供される食前酒から始まります。「宿泊のお客様にとってディナーはメインイベントですから、スタートはドラマチックに。ワインが最大の売りなので、ワインに合わせてシェフが料理を考えるというのが他のレストランとは違うところですね」と今井卓社長。ディナーと共に人気なのが見学ツアーで、季節で異なる自然の風景やワイナリーの仕事に触れる体験はここだけのもの。「県外の方から新潟に遊びにいく先として選ばれていくといいなと思っています」。

旅館・ホテル部門 特別優秀賞 代表取締役社長 今井 卓さん
CAVE D’OCCI ワイナリーステイ トラヴィーニュ

新潟市西蒲区角田浜1661
TEL 0256-77-5460
https://www.docci.com/
チェックイン 15:00~18:00
チェックアウト 11:00


佐渡の野草から生み出す和のハーブティー

さどのめぐみっ茶

クロモジ、イチジク、トビシマカンゾウなど、佐渡に自生する山野草を乾燥させ、ブレンドして作る野草茶の「さどのめぐみっ茶」。家でのお茶時間を大切にする人、体に良いものを口にしたい、という人たちの支持を得て、全国にファンの輪が広がっています。
製造販売を手掛けるBrillianの片岡悦子さんは、長崎県出身で2012年に佐渡へ移住。佐渡には山野草が1,700種類以上あり、しかも北限と南限の植物が一緒に存在していることなどを教わって野草に夢中に。そして佐渡のアピールに野草を活かせないかと考え、お茶づくりを始めたそうです。
山で摘んできた野草は、すぐに発酵が始まってしまうので、どんなに大量でもその日のうちに乾燥機へ。乾かした後はしっかりふるいにかけ、味も見た目も透き通ったお茶に仕上げます。「野草茶はいわば和のハーブティー。特に佐渡産は離島という魅力も加わって、唯一無二のものだと思っているので、大切に作ってお客様のもとへお届けしていきたいです」。

特産品部門 特別優秀賞 代表 片岡 悦子さん
さどのめぐみっ茶

佐渡市栗野江1828-2
TEL 0259-66-2424
https://megumittya.com/
営業日 平日13:00~17:00、土日祝日10:00~17:00
休業日 不定休

新潟が誇るブランド食材

産地「新潟」のブランドイメージを高めるため、その牽引役である「県推進ブランド品目」を中心に、地域の特徴を活かした生産方法や鮮度を保つための流通の工夫など、様々な取組を行っています。

新潟米 ル レクチエ 越後姫 南蛮エビ
にいがた和牛 全国の共励会でも名誉賞を受賞したことがある新潟で育った高品質な和牛。雪や米など新潟らしさを連想する特徴ある商品により他産地との差別化を目指しています。

牛を育てるとき、欠かせないのが稲わらです。牛が反すうをスムーズに行うにはよく噛むことが必要なので、噛み応えがある稲わらを牧草や穀物と共に食べさせます。穀物だけでは消化不良を起こすため、その点でも稲わらが大切です。うちは田んぼも作っているので、自家製のわらを使っています。旧荒川町は秋になると山から海に向かってだしの風が吹くので、それを利用してほどよく乾燥させることができます。新潟は牛肉を食べる習慣が他の地域より少ないですが、誕生日や記念日などにぜひ牛肉を食べていただきたいですね。

にいがた和牛肥育名人 時田 卓さん
のどぐろ 白身の大トロとして知られ、年間を通して脂が乗った魚です。新潟では、7~8月は型が大きなものが流通し、9月は漁獲が多い「夏の魚」です。

新潟ののどぐろ漁は春から始まり、7~9月が最盛期です。夏は産卵時期を迎え、大型のものが獲れます。はえ縄漁という漁法で釣り上げたのどぐろを、漁師は絶対に素手では触りません。手の熱が魚に伝わらないように手袋をして扱い、袋に入れてから氷水に入れ、波や風にも当たらないようにして港まで運んでいきます。市場に出す時も、輸送用の箱に氷を敷き詰め、その上にシートを敷いて、直接氷に触れないように並べます。こうしたやり方は、高級魚であるのどぐろを、より鮮度よく出荷するために、漁師仲間で知恵を出し合って生み出した方法です。

新潟漁業協同組合 岩船港支所 支部長 脇坂 三重城さん
えだまめ 甘味・うまみにこだわった新潟産えだまめ。くろさき茶豆、越一寸など、おいしいブランドや品種が切磋琢磨しています。

新潟の枝豆がおいしい理由は新潟の気候の特徴や味を第一にした作り方にあります。枝豆が成長する5月~10月の新潟は、日照時間が長く、日光をたっぷり浴びて育ちます。そして、糖分やアミノ酸がピークになる、実入り8分程度(一部の茶豆品種の場合)の大きさで収穫。収量よりもおいしさを優先しています。生産者の皆さんは早朝などの涼しい時間に収穫し、鮮度を保ったまま出荷する努力もしています。また、品種が早生から晩生まで多彩で、5月から10月上旬まで途切れることなく、おいしい枝豆を出荷できるのも新潟の枝豆ならではの魅力です。

JA全農にいがた 園芸部 野菜果実課 高山 大輝さん

美食を引き立てる工芸品

新潟県には国指定の伝統的工芸品が13産地16品目あり、その数は全国3番目となっています。
食のシーンを演出するため、村上木彫堆朱、燕鎚起銅器、新潟漆器など、新潟の工芸品の利活用が進んでいます。

新潟県の伝統工芸品 詳しくはこちら


料理が映える食器として工芸品を活用

竹塗の箸と朧銀塗のランチョンマット

竹塗の箸と朧銀塗のランチョンマット

新潟漆器は江戸時代初期から続くもので、特徴は「変わり塗り」の種類がたくさんあることです。代表的な塗りのひとつ「竹塗」は、本物の竹そっくりに節や表面の質感を表現したものです。最近は飲食店の料理人の方々から「料理が映える塗りの器が欲しい」とご注文いただくことが増えました。新潟漆器はもともと生活の中で使われてきた道具であり、塗りが剥げてきたら直しをしながら長く使っていけます。時代に合った新しい技法も生み出しながら、伝統を守り繋いでいきたいと思っています。

新潟漆器製造株式会社 代表取締役 佐藤 圭太さん