特集
棚田、日本一。

原風景を未来につなぐ
棚田みらいちゃん
カエルの格好をして各地の棚田で活動中。おてんばで、おませな小学3年生(9歳)だが、本気モードになると「ガチみらいちゃん」(20歳)に変身する。

棚田ひでよ
棚田みらいちゃんの親戚のおじさん。「棚田県」の知事として、「棚田県」をPRしている。

棚田ってなあに?
山の斜面や谷間の傾斜地に作られた階段状の田んぼだよ。
【国・県による定義】
地形勾配が1/20以上の地域の農地
例:20m進むと1m高くなる
新潟県は「棚田県」!
新潟県は農林水産大臣が認定した「つなぐ棚田遺産」の数が36(全国の認定数271)で全国最多、棚田の面積も日本一!
新潟県に棚田がたくさんあるのはなんで?
中山間地域の面積が7割を占める新潟県。
その昔、人々は程よい山裾に集落を形成し、暮らし始めたようだよ。
先人の営みを受け継ぎながら美しい風景と米作りを守り続けているんだよ。
棚田地域の持続的発展に向けて

新潟県知事 花角英世
本県は、棚田の面積が全国で最も広く、農林水産大臣が認定した「つなぐ棚田遺産」の数も全国一位であることから、「棚田日本一」を自負しているところです。
棚田は美しい景観だけでなく、歴史や文化とも深く結びついています。例えば、佐渡では、金銀山の発見により人口が急増した際、食糧確保のために棚田の開発が進みました。こうした背景が、棚田を本県の魅力あるコンテンツの1つにしています。
一方で、棚田地域を維持・保全する担い手不足が深刻化しています。本県の水田の約1割は急傾斜地にあり、棚田地域を守り続け、その持続的発展を図ることは、本県の農業を守り、県民や国民の食を守るためにも欠かせません。
そこで、「棚田日本一」の機運を盛り上げ、棚田地域の振興につなげていくため、県では、今年度を「にいがた棚田みらい元年」と位置づけ、棚田の魅力を発信し、交流人口の拡大を目指す取組を開始しました。これまでの企業や学生ボランティアが中心となった「棚田みらい応援団」による保全活動に加え、今年度からは、個人参加方式の「ガチ棚」の活動も始まり、ハードな草刈り等にも取り組んでいただいています。
今後も、棚田のポテンシャルを活かした地域外との交流を活性化させることで、棚田の維持保全と地域の持続的発展につながる施策を展開してまいります。県民の皆様には、ぜひ棚田に関心を寄せていただき、実際に足を運び、新潟の誇るべき価値に触れていただきたいと思います。
みんなで棚田を守ろう どうなる? にいがたの棚田のみらい
~将来にわたる棚田の維持保全や地域の持続的発展のための取組を始めています~

棚田にはどんな役割があるの?
農業生産の場
- 一般的に水源が近くにあり、標高が高く、昼夜の寒暖差が大きいため、おいしいお米の生産に適しています。

生物多様性の保全(生態系の保全)
- 棚田には多様な生物が生息しており、環境を維持することにより、豊かな生態系が保たれています。

土砂災害・洪水防止、水資源の保全
- 棚田を保全することで、土砂崩れの発生を抑制することができます。
- 降った雨は畔に囲まれた田んぼに一時的に貯留され、ゆっくりと浸透して地下水となり、下流地域の川の流れを安定させる働きがあります。

上越市・高尾の棚田
美しい景観や伝統文化の保全
- 棚田は、安らぎを与える我が国の原風景であるとともに、先人達の築いた歴史・伝統文化を守り伝えています。

佐渡市・岩首の棚田

五穀豊穣を祈る「鬼太鼓」

暮らしに溶け込む「能」
佐渡では、相川金銀山が発見されると、富を求める人々により爆発的に人口が増加。食糧需要に対応するため新田開発が促され、海に面した崖の上から山間深くまで耕す棚田の風景がつくられました。
金銀山がもたらす豊かな生活とともに、多様な農村文化が育まれました。
でも…
棚田は道が狭くて機械が入らない、畦が急で草刈りが大変など農作業にとても手間がかかるのが特徴で、このような生産条件の厳しさや、農業者の減少・高齢化によって、荒廃の危機に直面しているんだ。棚田を保全する人材の確保が課題となっているよ。

そこで…
未来に向け、総力をあげて棚田地域の振興を図るために、県では令和7年度を「にいがた棚田みらい元年」として様々な取組をスタートさせたよ。

目指すみらい
県内外の方々が棚田の美しい景観やその背景にある歴史・文化に魅力を感じ、棚田地域で生活する方々が棚田の価値を再認識することを通じて、棚田地域の交流人口の拡大、地域の活性化につなげる。

にいがた棚田みらい元年の取組
にいがた棚田フォーラム
多様な主体が参画する場と、新潟県としての体制をつくり、皆さんと話し合いながら未来に向けて動き出しました。
プレリュードイベント 5月
世界農業遺産【棚田】と世界文化遺産【金山】の関わりなどをテーマに、佐渡市で「棚田みらい元年」が幕開け!
産学官それぞれの視点から、地域活性化に向けた棚田の魅力や連携可能性についてのディスカッションをしたほか、「無限界集落」歌見地区の皆さんによる踊りや、園児による和太鼓発表など、楽しいステージも実施。盛況となり、一体感のあるフォーラムの立ち上げとなりました。


棚田みらいちゃんぬりえコーナー
「棚田県にいがた」フォトコンテスト 6月~10月

棚田を主体とした風景、人々の活動の様子などをテーマに10月13日(月・祝)まで写真を募集中!審査結果は「にいがた棚田みらい創造会議」(11月に開催)で発表予定です。

棚田みらい応援団 4月~11月(全17回、6エリア)【企業・団体で参加】
SDGsへの取組、ボランティア活動、社員研修などの一環として、棚田保全活動に参加していただける企業や団体を“棚田みらい応援団”として募集し、棚田地域の営農活動・地域活性化を支援しています。
この活動は、おいしい米作りだけでなく、美しい景観を守り、森林の環境保全活動に貢献し、地域の暮らしを災害から守ることに役立っています。
(参加者の声)
- のんびりとした棚田での作業は、心も落ち着き、大変気持ちがよかった。
- こどもにも農作業を体験させることができて有意義。
- 棚田がこれほど急勾配だとは思っていなかった。
また機会があればお手伝いさせてほしい。
詳しくはこちら


集え。ガチ棚 7月~8月【個人で参加】

棚田みらい応援団では、「もっとハードにお手伝いしたい!」との声を受け、草刈り等のガチな作業をメインとする“ガチ棚” を、個人参加方式で開始しました。
活動では、十日町市星峠地区で草刈りを実施。例年になく暑いこの時期、8月には知事と十日町市長も参加し、遠方より集まった方々とともにしっかりと汗を流しました。
草刈り機の扱いに慣れているベテランから、初心者の方まで、「棚田を保全したい」という気持ちは、みな同じ。作業の安全講習後に、それぞれの持ち場で活動を行いました。
(参加者の声)
- とっても素敵な棚田を守りたいと感じた。
ぜひ、また参加したい。 - 実際に作業を経験し、いかに棚田の環境整備が大変なのか分かり良い経験となった。

ガチみらいちゃん
にいがた棚田みらい創造会議 11月【予約不要・当日参加OK】
【日時】11月22日(土) 13:30~15:30(開場13:00)
【会場】千手中央コミュニティセンター「千年の森ホール」(十日町市)
【対象】県民の皆様、県内棚田協議会、市町村、にいがた棚田フォーラム構成員 など

(内容)
- 「にいがた棚田フォーラム」ワーキングチームによる先進地視察等の取組成果の発表
- 十日町市の棚田とゆかりのある方々による棚田との関わり方についてのディスカッション
- 棚田県にいがたフォトコンテスト入賞作品表彰式のほか、応募作品の展示 など
【問い合わせ】農村環境課 電話:025-280-5367

棚田のみらいを考える!
さまざまな人が関わってくれる棚田に

棚田みらい応援団受け入れ地区
兵庫 勝さん
市民活動団体UKUU代表
目の前に海が広がる景色が魅力の「歌見の棚田」は、近年、生産者の高齢化や担い手不足により、面積のうち半分のみで米づくりをしています。かつては一家総出で作業し、その雰囲気が幼いながらに好きだったのですが、時代の流れとともにその風景は一変。高齢の方がひとりで作業していたり、子どもの姿が見えなかったりすることが寂しく、若い人にも棚田を知ってもらうための体験イベントを独自で始めました。
棚田みらい応援団を受け入れてからは、企業も含め更に多くの方々に関心を持っていただいています。地域に残る「鬼の田植え伝説」にちなみ鬼の姿で作業するなど、楽しい経験にできるよう工夫しています。
棚田の維持には、生産性の向上とともに多くの皆さんから関わっていただくことが重要だと考えています。今後も色々なイベントを計画し歌見を盛り上げていきたいです。
こうなってほしい!新潟の棚田のみらい
多くの人々が交流する場に

佐渡市・歌見の棚田にて

都市部住民が「通い農」で支える未来へ

棚田ステーション主宰
星 裕方さん
十日町市地域おこし協力隊
棚田を将来にわたって維持するために、オーナー制度もアップデートする時期に来ていると感じます。農業体験に来た人たちが、その後継続して自分たちの力で米作りができる仕掛けが必要と考え、移住・定住と体験の中間をつなぐ「通い農」を提案しています。今年4月には体験拠点となる棚田ステーションを立ち上げました。サイズ感が手頃で個人でも手掛けられるという棚田の利点を活かし、都市部住民が棚田に通って耕作に携わるライフスタイルが定着する未来を目指しています。
私自身、東京で忙しく働いていた頃に、機会があり松代地域の棚田で草取りに参加したところ、精神的に開放される経験をしました。田んぼでの作業は、意外にも都会で多忙に働く人にフィットする体験だと思っています。農業体験をした人が「通い農」へつながるよう、この取組を進めていきます。
こうなってほしい!新潟の棚田のみらい
都市と農村、両方の人々で守っていく

十日町市・蒲生の棚田にて

棚田の景観の美しさを多くの人に知ってもらいたい

棚田みらい応援団参加者
野口 慎之助さん
新潟食料農業大学4年
大学からの案内で「棚田みらい応援団」に興味を持ちました。活動先は糸魚川市の東塚棚田で、2年生から4年生までの間に計8回参加しました。初めて棚田を見た時はその景観の素晴らしさにとても感動し、夕景写真はスマホの待ち受けにしています。
活動では、田植え、水路の掃除、稲刈りを経験し、農家さんの家に泊めていただいたこともあります。その時、集落には空き家が増えていて、生産者の皆さんも高齢者が多いという実情を聞き、今すぐ棚田が無くなることはないけれど、このままの状況では時間の問題なのかなとも感じました。棚田の存続のためには、まずは人手が必要なのだと思います。
卒業後は地元の栃木に戻りますが、今後も東塚棚田に手伝いに行きたいです。住む人が増えて、ゆったりとした農村の良さを残しながらも、活気がある棚田の姿になってほしいと願っています。
こうなってほしい!新潟の棚田のみらい
のどかで、活気もある棚田に

糸魚川市・東塚の棚田にて

インタビューを深掘り!取材こぼれ話はこちら

